ちょっと前になりますが、近所のレンタルビデオ店で、「旧作オール100円」というイベントがあり、それはたまたまだったのですが、前から気になっていた「翼のない天使」を借りて見ました。
「翼のない天使」は、あの「シックス・センス」の
ナイト・シャマラン監督の作品で、「シックス・セ
ンス」以前に作られた、監督デビュー作だそう
です。
以前に
さかばさんのブログで紹介されていて、
ずっと見てみたいと思っていた作品でした。
「シックス・センス」は、センセーショナルな話題になった作品でしたが、私はオカルト的な面より、その底辺に光るヒューマニズムが心に残りました。
ネタばれになってしまいますが、この映画には二人(もっと?)の子どもの亡霊が出てきます。そして二人とも親によって大した理由も無く殺されてしまった子どもたちです。二人はやりかたは違うけれど、自分たちがどうやって殺されたかを主人公に訴えてきます。
他にも無念の死を遂げた人々が次々と出てはきますが、子どもたちの亡霊を出す事で、監督が不条理に憤る気持ちを訴えたかったのではないかと私は感じました。
そして、母親に今は亡き祖母の母に対する愛情を伝えて和解させたり、主人公の少年も親が離婚して、一緒に暮らす母とも今ひとつしっくりしない、寂しい少年でしたが、ブルース・ウィリス演じる男性とのふれあいや悲しい亡霊たちとの関わりの中で、精神的に成長していく、というストーリーでもあったと記憶しています。
さて、「翼のない天使」ですが、一言でいえば、一人の少年の成長の物語。
ヒューマニズムあふれる作品です。
見終わった感想は期待通りで、特にラストが良く、じんわりと心が温まるような、そしてさわやかな風が通り過ぎるような、そんな感動を覚えました。
何よりお話もわかりやすいのです。
そして数々のエピソードが丁寧に描かれていると思いました。
お話は、家族で一番の仲良しだったおじいちゃんが死んでから、悲しみからまだ立ち直る事の出来ない少年、ジョシュア。彼はカトリックの学校に通っています。
そしてある日、おじいちゃんがきちんと天国にいって、幸せでいるのか知りたくて、神様を探す任務を遂行することにします。
生前のおじいちゃんとのエピソードがまた泣かせるのです・・・
そのために、学校を抜け出して枢機卿に会いに行ったり、クリスチャンでありながら瞑想したり、イスラム教の断食を守ったり、学校の神父様に「聖歌を元気よく歌ったら、神様に聞こえるかも知れないよ」と言われたら、もりもり頑張って歌ったり(この時の表情がとても可愛いのです)
このちょっと問題のある生徒をシスター先生たちは、頭ごなしにしかったりせず、暖かく見守ってくれます。家族も、そしていつしか少年の神様を探す理由を知ったクラスメートも。
そして、ジョシュアも任務を遂行する中で、色んなことに気づき始めます。
それはいじめっ子が家の事情で、辛い思いをしていたことや、友達の抱えている悩みなど、外見だけ見ていたらわからなかった事、そして人を思いやる事を覚えるようになっていきます。そんな中で、初恋も経験します。
お話のラストにちょっとしたどんでん返しがあるのですが、それはまた見てのお楽しみに。
ラストの少し前、学年の最後に作文を読むのですがそれがまた感動ものなのです。「去年の僕は、眠っていたんだ。今、やっと目覚めたんです」
果たしておじいちゃんは天国へ行ったのでしょうか?
興味のある方は是非一度ご覧になってみてくださいね^^